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映画のはなし

「リバーズ・エッジ」ヒリヒリとした青春

2018年公開/日本/118min

監督:行定勲

脚本:瀬戸山美咲

原作:岡崎京子

二階堂ふみ 吉沢亮 上杉柊平 SUMIRE

 

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あらすじ

若草ハルナ(二階堂ふみ)は、彼氏の観音崎(上杉柊平)が苛める山田(吉沢亮)を助けたことをきっかけに、夜の河原へ誘われ放置された<死体>を目にする。「これを見ると勇気が出るんだ」と言う山田に絶句するハルナ。さらに、宝物として死体の存在を共有しているという後輩でモデルのこずえ(SUMIRE)が現れ、3人は決して恋愛に発展しない特異な友情で結ばれていく。 ゲイであることを隠し街では売春をする山田、そんな山田に過激な愛情を募らせるカンナ(森川葵)、暴力の衝動を押さえられない観音崎、大量の食糧を口にしては吐くこずえ、観音崎との体の関係を重ねるハルナの友人ルミ(土居志央梨)。 閉ざされた学校の淀んだ日常の中で、それぞれが爆発寸前の何かを膨らませていた。そうした彼らの愛憎や孤独に巻き込まれ、強くあろうとするハルナもまた、何物にも執着が持てない空虚さを抱えていた。そんなある日、ハルナは新しい死体を見つけたという報せを、山田から受ける・・・。

引用:Filmarks

 

 

 

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 ヘルタースケルターの映画化でも話題になった圧倒的支持を集める岡崎京子が原作の漫画を二階堂ふみ主演で代表作「GO」などで知られる行定勲が実写映画化。

 

以下ネタバレ

 

セックス、ドラッグ、暴力、同性愛、過食嘔吐など10代の頃は飛びついて観ていたような内容だったけど昔に比べたら刺激が弱くなってしまった。

 

吉沢亮くんは整った顔の今どきの俳優だなと思ってたけどゲイのいじめられっ子という難しい役に挑戦してて頑張ってた。こんな演技もできるのねと驚いた。

 

二階堂ふみちゃんの体当たりな演技も良かった。ホテルでヌードになってるところを見て、あまりのスタイルの良さにそっちに目がいってしまった。彼女はいつも全力な女優さんだね。

 

あとは役に共感したのが森川葵ちゃんの演じていた役。周りから可愛がられたい典型的な女子。ああこういう子いる〜と共感するような子だった。

インタビューされるシーンで「生きていると感じた時はどんな時ですか」って質問に困ったようにずっと笑っている演技が好きだった。自分を持ってないなんとなく生きている感じ。

 

画面比率が4:3で撮られていていたり小道具などに年代を感じてこだわっているところが良かった。

  

公式サイト:http://movie-riversedge.jp

「スリー・ビルボード」秀逸な脚本に感服

2018年公開/アメリカ・イギリス/115min

監督:マーティン・マクドナー

脚本:マーティン・マクドナー

フランシス・マクドーマンド ウディ・ハレルソン サム・ロックウェル アビー・コーニッシュ

 

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あらすじ

最愛の娘が殺されて既に数ヶ月が経過したにもかかわらず、犯人が逮捕される気配がないことに憤るミルドレッドは、無能な警察に抗議するために町はずれに3枚の巨大な広告板を設置する。それを不快に思う警察とミルドレッドの間の諍いが、事態を予想外の方向に向かわせる。

引用:Filmarks

 

 

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ゴールデングローブ賞のドラマ部門で作品賞を受賞して話題になり注目していたこの映画。 

2018年も始まって間もないけれどはやくも暫定マイベストになった。おそらく塗り替えられることはないんではないだろうかというレベル。

とにかく脚本が秀逸。素晴らしい。

 

そして今作でアカデミー賞主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンド助演男優賞を受賞したサム・ロックウェルの演技も凄い。

 

以下ネタバレ

 

娘をレイプされて殺されたミルドレットが未だに犯人が捕まらない怒りから3つの看板に広告を出す。

「レイプされて殺された」「犯人逮捕はまだ?」「なぜ?ウィロビー署長」 という3つの看板に出された広告。いかにも挑発的な表現。ここから物語が始まっていく。

 

一見すると娘を殺された母親と警察署長の話に思えるけどそれぞれの家族や警察官などけっこう周りの人が関わってくる。というか巻き込まれていく。

誰かにとっては悪者で誰かにとっては善人。みんな自分にとって正しい行動をとっているだけでこんないがみ合ってしまうなんて…と苦しい気持ちになったり。

人間関係の複雑な絡み合いを絶妙な俳優陣の演技と緻密に練られた脚本で描かれている。

 

ディクソンにボコボコにされたレッドが大けがをしたディクソンにオレンジジュースを差し出すシーンは救われた気持ちになった。

 

ラストシーンではいがみ合っていたミルドレッドとディクソンが人を殺しにいくという目的で車に乗る。そして話しているうちにあまり乗り気でなくなり「道中決めればいいか」という台詞で終わる。希望のある結末を想像させる台詞で締めくくるところが良かった。

 

他の方のレビューで色の使い方や宗教的なところの解説があって計算されてつくられているんだなと思うとますます再見せずにはいられなくなった。

 

 

 

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/threebillboards/

「キングスマン: ゴールデン・サークル」秒でアガる!

2018年公開/イギリス/140min

監督:マシュ・ーボーン

脚本:マシュ・ーボーン ジェーン・ゴールドマン

キャスト:コリン・ファース ジュリアン・ムーア タロン・エガートン マーク・ストロング ハル・ベリー

 

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あらすじ

スパイ機関“キングスマン”の拠点が、謎の敵、ゴールデン・サークルの攻撃により壊滅。残されたのは、前作で一流のエージェントに成長した主人公エグジー(タロン・エガートン)と、教官兼メカ担当のマーリン(マーク・ストロング)のみとなってしまう。敵を追い、同盟を結ぶスパイ機関“ステイツマン”の協力を得るためアメリカに向かう二人。しかし、表ではバーボン・ウイスキーの蒸留所と最高級のバーボンを提供する店を経営しているステイツマンは、英国文化に強い影響を受けたキングスマンと対照的に、コテコテにアメリカンなチームだった!彼らは文化の違いを乗り越えて、ゴールデン・サークルが企む陰謀を阻止することができるのか!?

引用:Filmarks

 

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「マナーが人間をつくる」 

前作でハリーにキングスマンとして育てられたエグジー。

今作ではエグジーのキングスマンとしての品格が出ててかっこよかった。でもちょっと感情的になったりエグジーっぽさも残ってていいバランス。

 

以下ネタバレ

 

ミンチ器とかロボットのイヌとか相変わらず発想も描写もえぐいところがマシュー・ボーン節って感じ。グロいシーンもポップにしちゃうところが凄いなと思う。

 

ハリーの亡き後、キングスマンになったエグジーだが店から出たところをいきなり元訓練生のチャーリーに襲われる。

激しい攻防の末、なんとか逃げ切るエグジー。

この冒頭のアクションからかっこいい!

まさに秒でアガった。

 

前作での悪者ヴァレンタインに囚われていた女王となんだかんだあって付き合っていたエグジー。スパイと王女が付き合うなんていかにもな感じ。

 

 

そして今回の見どころ、待望のハリーの復活。
ヴァレンタインに撃たれた後、実はアメリカのスパイ組織ステイツマンたちによって助けられていたハリー。何やらアルファジェルというものを頭に巻かれて生き返っていた(ただし記憶をなくしている)

 

エグジーがハリーの記憶を取り戻そうとするところはグッときた。そしてハリーは記憶を取り戻しまたスパイとして活躍していく。

 

今作での悪者ジュリアン・ムーアもあんな可愛く振舞っているのに実は裏では麻薬密売のゴールデンサークルのトップっていうのが不気味でいい。いいメンヘラ加減。

 

でも何よりこの映画の面白いところをもってたのはエルトンジョン。

カラフルな服で暴れまくりピアノで人を殺すところは思わず笑ってしまった。

 

チャニング・テイタムは今回あんまり活躍しなかったけどラリったときにみせた踊りがすごい面白くて笑いこらえるのが大変だった。

 

そして今まで影でキングスマンを支え続けてきたマーリンの死。

地雷を踏んでしまったことを敵に気づかれないように自分の方におびきよせてから発動。最後までキングスマンの任務を全うした。

次回アルファジェルで復活しないかな…

 

前半でミサイルで死んだ?っぽいランスロットも直接死ぬシーンが描かれていなかったから次作復活も可能性もある気がする。

というかアルファジェルがあれば誰でも復活できるじゃん。無敵じゃん。なんて都合の良い道具なんだ。

 

という感じで次作の3とスピンオフが決定しているわけなのでまだまだキングスマンは終わらない

 

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/kingsman/

2017年マイベスト映画

今年も残すところ1週間を切った。大きな変化はなかったけどあっという間な1年だった。時間が経つのは本当にはやい。ぼーっとしてたらすぐ年末になってしまう。だから少しでも時間を作ってより多くの映画を観たい思う。

 

今年の映画鑑賞本数は新作・旧作含めて101本。

学生時代に比べると半分以下まで落ちてしまったけど、そんな中でも観る映画は1本1本大切に観たいと思っている。

 

そして2017年の映画マイベスト。

私の選んだ10本はこんな感じ。

 

 

 

今年は「ブレードランナー2049」「T2 トレインスポッティング」「スターウォーズ/最後のジェダイ」など人気作の続編が相次いだ。

そのうち2本は私もベストに入れた。(T2も入れたいくらいよかった…!)

 

「GtoG」や「ジャスティス・リーグ」などDCEU、MUCの続編も多かった。

その中でも特に好きだったのは「ワンダーウーマン

ダイアナを演じるガルガドットが衝撃的な美しさ。そして強い。悪は許さず正義を愛する容姿端麗、文武両道な生徒会長って感じ。

ジャスティス・リーグに至るまでの物語がみれて面白かった。

キャラだけで言えば新キャラ・フラッシュが私の中でのMVP。今後の活躍が楽しみ。

 

その他にもただのSFではない心に刺さる「メッセージ」

家族を思いやる気持ちを教えてくれた「はじまりへの旅」

実話系では「ハクソー・リッジ」「ボブという名の猫」

唯一の邦画には「南瓜とマヨネーズ

こちらは前記事で感想を書いたのでどうぞ。


movilog.hatenablog.com

 

 

 

これらを抑えての1位はセオドア・メルフィ監督の「ドリーム」

ベストにあげていた人も多かったこの作品。

前評判など知らずに観たが、想像を上回る良さで感動した。

 

1960年、宇宙飛行士を宇宙空間に送り出し無事に帰還させるというアメリカの威信をかけた一大事業に関わったNASAで働く3人の黒人女性の実話。

 

こんなに偉大な功績を残したのにもかかわらず、近年までほとんど語られなかったというところに衝撃を受けた。

性別や人種の差別に負けず自分たちのできることをこなし立ち向かう姿勢は胸を打たれたし、同じ女性として彼女たちのように強くありたいと思った。

 

肌の色が違う。女性だから。そんな理由で才能のある人が淘汰されるのは間違っている。

黒人用に分けられるトイレ、本棚、コーヒーポット。当然のように行われていた黒人差別。実際はもっとひどかったのだろうなと思う。

それでも屈せず天才的な頭脳と肝の座った度胸で繰り広げられる後半にかけての彼女たちの会心撃や認められていく様は痛快。

今後もっと広まっていってほしい物語である。

 

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劇場で観たかった取りこぼし映画や他の方のマイベストで気になった映画などもあって興味深かった。こういうところもマイベスト発表の醍醐味だよね。観たい映画リストに入れて今後のお楽しみにとっておこうと思う。