「南瓜とマヨネーズ」女は過去の恋をひきづらない、なんてウソ。
2017年公開/日本/93min
監督 脚本:冨永昌敬
原作:魚喃キリコ
あらすじ
ツチダ(臼田あさ美)は同棲中の恋人・せいいち(太賀)のミュージシャンになる夢を叶えるため、内緒でキャバクラで働き、生活を支えていた。一方、曲が書けずスランプに陥ったせいいちは毎日仕事もせずにダラダラと過ごす日々。 しかしツチダがキャバクラの客・安原(光石研)と愛人関係になり、生活費を稼いでいることを知ったせいいちは心を入れ替え働き始める。 ツチダが今でも忘れられない昔の恋人・ハギオ(オダギリジョー)と偶然の再会を果たしたのはそんな矢先だった。 過去の思い出にしがみつくようにハギオにのめり込んでいくツチダだったが...。
引用:Filmarks
上映館が少なくてなかなか観にいけなかった作品。
原作は90年代ユースカルチャーのバイブルと言われた魚喃キリコさんの人気コミック。
※以下ネタバレ含む
映画を観てから原作を読んだけど細かいところでけっこう違うところがあってびっくり。でも世界観はそのまま。
私は断然映画派だった。93分の中で原作にはない描写を増やしたりして厚みを持たせていたし、何気ない会話や間の取り方、生活感のある空間や雰囲気にリアリティを感じる。冨永監督の演出 が光ってるなと。
叶わなかった恋って時間が経ってもふと思い出してセンチメンタルになっちゃうよね。わかるうんうん。そんな人と突然再会したらそりゃ舞い上がっちゃうし自分から声かけちゃうよね。うんうん。とツチダがハギオに再び惹かれていく姿に共感しながら観ていた。後半は感極まって涙流しっぱなしだった。
きっと共感できない人からしたらどこがそんなに?となるんだろうけど。
言葉じゃ説明できない感情を揺さぶれる感じ。せいいちとハギオの間で揺れるツチダの葛藤。痛々しく刺さる。
せいいちを演じた大賀くんが素晴らしかった。
最近やっと注目される俳優になったけど、彼はなかなか名前が売れず苦労してきたようでその心境をテレビの対談で語っていた。
彼の作品は大体観ているけど中でも「桐島、部活やめるってよ」「ほとりの朔子」らへんが好き。
岩松了作・演出で宮藤官九郎が主演を務めた舞台「結びの庭」での彼も凄かった。素朴な青年役がハマるなーと思う。ダンスも披露していたんだけど上手でびっくりした!リズム感あるしステップも完璧だった。今作でも歌を披露しているけどこれまた上手くてびっくり!グッとくる歌声だった。
仕事もしないで彼女に食べさせてもらってるんだけど音楽に対する情熱はあって芯を持ったせいいち。程よくダメっぷりもあり、でもブレないところも持ってるそんなせいいちを大賀くんが見事に演じている。素晴らしい!
公式サイト: http://kabomayo.com