「blank13」キッチンにはハイライトとウイスキーグラス
2018年公開／日本／70min
監督：斎藤工（齊藤工）
脚本：西条みつとし
あらすじ
13年前に突然失踪した父が余命3カ月で見つかった。借金を残し消えた父に母と兄は会おうとしなかったが、キャッチボールをしてくれた優しい父の記憶が忘れられないコウジは病院へ向かい再会を果たす。しかし、2人の間にある13年間の溝は埋まらないまま、父はこの世を去ってしまう。果たして父は13年間なにをしていたのか？もう取り戻せない思っていた13年間の空白が、葬儀当日の参列者が語る父親のエピソードで、家族の誰も知らなかった父親の真実とともに埋まっていく…。
引用：Filmarks
齊藤工が監督として初の長編映画を撮った。映画が好きな人が撮った映画。キャストにリリー・フランキー、高橋一生。これだけですでに観たい。
何かのインタビュー記事でDVD化は考えていないと読んだから観られて良かったとつくづく思った。映像綺麗だったなぁ。空気感が好き。
以下ネタバレ
親子の関係って抱えてる問題や環境で変化するしそれぞれの形があるから難しい。
少なくともこの父親は借金作って家族に迷惑をかけるろくでなしだから子供からしたら嫌いでしょうがなかっただろうけど。
それでも嫌いになりきれず何かを見つけようとしてる高橋一生の演技は良かった。
屋上で親子がぎこちなく話すシーン。お互いどういう距離感でいたらいいかわからず離れて佇む姿がリアルだった。
葬式参列者のキャスティングは最高。（芸人多め）
シュールな笑いがたまらなくニヤついた。撮影現場楽しそうだなと思ったり。
葬式という暗い場面でも湿っぽくならずユーモアを混ぜて進んでいくところが良かった。そして最後はほろっと泣かせてくる。この絶妙なバランス。
自分から見たろくでなしな父親は実は周りの人からは慕われたり愛されたりしていたことを知る。そして子供の頃に書いた自分の作文を大事にとっていたことを知る。そりゃ泣けてきちゃいますわ。リリー・フランキーの飄々とした感じがまたいいのね。
映画だからといって過度な希望を与えるセリフや展開はなくて多くを語らないでこちらに委ねる感じにとても好感が持てた。
ラストの母親が窓際で父親の吸っていたハイライトを吸ってむせるシーンにグッときた。話せなくなってしまう前に後悔しないように家族を大事にしたいと思った。
公式サイト：http://www.blank13.com
